バカとニートは使いよう

好きなことを好きなだけ文字にしちゃうよ。

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『参加前からもうあれだった』ニートが同窓会に出席してみた 第1話

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20170505165750

その日、壊れかけのiPhoneに一本の電話が入った。

画面を見てみると、表示された名前は中学時代の同級生であり、当時一緒にMMORPGの世界を駆け回った戦友である友人K。

そうか…。

ついに彼もマルチを始めてしまったのか…。

始まりは一本の電話だった

「あ、じどり? お前、いま何やってんの?」

と、いきなり問いかけてくる声は、まさしくKの声だった。
そういえば最後に会ったのは、7,8年前(適当)の同窓会だったかな?

「久しぶり~。ニートやってるぜ」

お決まりの返答をしてみたら大爆笑されました。

大爆笑されました。

いやまあ久しぶりに連絡とった友人がニートになってたら面白いよね。

お互い大学生だった頃の同窓会は、未来は輝いていて夢を語り合ったっけな~。
大学生になっても鯖一の剣士に俺はなるって言ってたっけあいつ…。

「でさ、今どこに住んでんの? 同窓会やるけど来る?」

ニートが同窓会に誘われた

ちなみに中学時代の彼がハマっていたオンラインゲームは、『ミュー 奇蹟の大地』だったかな。
二人でやったゲームは…たぶん色々やってたと思う。

ラフォーレ原宿前でデートしてる友人Kを見つけて、彼女の前で堂々と「今日銀行前で待ち合わせな!!」って言い放ってやったことを今も鮮明に覚えている。

あ、それでゲームタイトル思い出した。
その頃は2人でREDSTONEやってたんだな。

ていうか何でブルンネンシュティグ銀行で待ち合わせしてんだ…王宮跡とか南出口とか色々あっただろ…。

とまあ友人Kとは色々あって、そんなやつに誘われたら行かないわけにもいかんだろう!と思い参加。
LINE教えてって言うから同級生の誰にも教えてなかったLINEを教える。

「同窓会LINEにぶっこむわ」

!?

―じどりが参加しました―

「じどりって誰だよwwwwwwww」

友人Kwwwwばっかやろうwwwww

穴があったら突き落としたい。

車乗りたい人事件

「車出すけど乗りたい人いるー? あと3人乗れる」

そりゃまあ交通費節約できるし、店の近くまで直接行けるし、乗れるなら乗りたいじゃん?
その募集を見た瞬間、僕は迷わず名乗り出たわけですよ。

「乗せてもらっていい?」

車さえあれば終電気にしなくていいし、そりゃもうありがたいですわ。

…あれ、返信がないな。
既読増えていくけど……んん、静まり返ったね?

1時間経過

ほら社会人って忙しいからさ。
相手はニートじゃなくて働いている一般人なわけで

2時間経過

社畜おつwww
おつかれさまっすwww

3時間経過

「じどり…? うちも車出すけど、乗る?」

そのとき始めて幼馴染が同窓会グループに入っていることを知った。

泣いた。

「あ、じゃあじどりそっちで乗せてもらっていい? 頼んだわ」

くっそwwww

車に乗りたい人

幼馴染が複数いてとても分かりにくいんだけど、送迎係の幼馴染はこのまま幼馴染にしておこう。

車に乗せてもらえることになったのは、僕と友人のM氏。
まあ実家の場所とか考えたら、幼馴染の車に乗せてもらうのは必然だったのかもしれない。

「仕事終わりに迎えに行くね~」

ちなみに幼馴染は女。
こいつは保育園に入る前から遊んでいる仲なので、友人Mの「あいつ可愛くなったよな!」という言葉に、僕は真顔で「メイクってすごいよな」って返した。

同窓会当日。

幼馴染からの連絡がこねぇ!

友人Mに個別で「連絡こなくね? 何時にどこ行けばいいんだろ」と意味のない話題振りをする。

「え、連絡きただろ?」

……。

なぁ、同窓会行くのやめていいかな!?

頭文字幼馴染

なぜか友人Mに幼馴染と連絡を取ってもらいつつ合流。

「あ、じどりって君だったの?」

気づいてなかったんかーい!!

「じどり……?」って「じどりって誰?」って意味だったの!?
この子だれかも分からない人乗せようとしてたの!?
ていうか、じどり=僕だって書いたの見てなかったの!?

ちなみに幼馴染の学校の成績は下の下だった。
僕は中学生くらいまでは上の上だったよ!

今では僕がニートで幼馴染は福祉関係の仕事をやっている。

どうしてこうなった。

とにかく合流はできたのだけど、時間は同窓会が始まる20分前。

距離とか考えたら到底間に合うような時間ではない。

「遅刻前提か」

とぼやいた独り言をキャッチされて、「いや余裕で間に合うから」と。

しばらく実家付近来てないとはいえ、さすがにそのあたりの地理は分かっているつもりだけど…?

「タバコ吸うね」と、運転席に乗り込んだ幼馴染。
車はなんかよくわからないけど、ワゴン車だった。

「え、普通に嫌なんだけど」

久しぶりに会って送迎までやってくれる幼馴染に本音を言ってしまうニートである。

「えーだめかー」

車が走り出した。
一般道にも拘わらず、どんどん速度が上がっていく。
前方を走る車を煽り、追い抜き、黄色信号を爆速で走り抜ける。

「ち、ちょっと、お前、何を…」

その速度――70km!
幼馴染は片手でワゴンの大きなハンドルを軽々ぶん回している!

「タバコ吸わないと運転荒くなるんだよね」

「早く吸ええええええ!」

ちなみにタバコ吸っても速度は変わりませんでした。

同窓会が始まる

警察とか色々なものに震えていたら、間に合うはずのなかった時間に間に合ってしまったという。

友人Mは東京の方に住んでいるらしく、何度か幼馴染の車に乗ったことがあったらしい。
曰わく、「飲酒運転はしてないから大丈夫」

できれば速度のほうもなんとかしてほしいっす。

そんなこんなで居酒屋に到着。

次回、ニートがとうとう同窓会に乗り込むことになる…!

つづく

 

『一次会でニートの自分を思い知る』ニートが同窓会に出席してみた 第2話