『オタクがリア充と徹夜カラオケをすることに!』ニートが同窓会に出席してみた 第3話
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『参加前からもうあれだった』ニートが同窓会に出席してみた 第1話
『一次会でニートの自分を思い知る』ニートが同窓会に出席してみた 第2話
送迎係の幼馴染が二次会のカラオケに参加するということで、僕たちもまあやぶさかではないので参加することにした。
幼馴染は翌日7時半から仕事らしいから、たぶん1,2時間歌って帰るのだろう。
先に帰った人たちをお見送りして、僕は遅れて部屋に入った。
伝票をちらりと見てみる。
退室時間:5:00
考えが甘すぎた
僕は確かにオタクである。
しかしまあ結構万人ウケする音楽を聴くこともある。
高校時代は特にロキノン系にハマっていた。
バンプ、ラッド、アジカン、音速ライン、エルレ…とかまあその辺だ。
今流行のback numberも聴いてるし、偏っているとはいえ、とりあえずリア充にも合わせるのは容易いはずだった。
人数も人数なので、どんどん曲が入っていく。
「なつかしー!」と盛り上がる女子。
DAMはPV(MV?)が充実しているらしく、曲が始まると「お~」と歓声が上がる。
ところが、大画面に写された倖田來未がカメラ目線で踊り始めたのを見て、僕の考えが完全に甘すぎたことを思い知る。
知ってる曲がねぇ。
ニジオタニートvsリア充
同じくオタクである友人M氏と「どうする? マジで」という真剣な作戦会議が始まった。
一人、パァリィピィポォみたいな女子がいて、その子が最新式のデンモクとマイクを抱え込んで跳びはねている。
盛り上がっているのは楽しくていいのだが、とにかく2連続3連続でターンを獲得して行動していく彼女に、僕はメガガルーラのねこだましを思い出した。
あるいは、はやぶさの剣。
「あれならネタ曲で盛り上がってくれそうじゃね?」
という友人M氏の提案で、僕たちは男2人でmagnetをデュエットすることにしたのである!
ちなみに友人M氏がいつぞや某動画で名を馳せた超低音ボイスを真似て、僕は裏声。
歌い始めてカラオケルームの雰囲気が変わっていくのを感じながら、僕たちは「いける!これならいける!これでリア充に対抗できる!」と確信していた。
最初のサビまでを迸るネタ具合で歌いきり、圧倒的勝利(何にだ)の未来を予感しながら僕たちはハイタッチした。
しかし、そこでガルーラのメガストーンが輝きを放ち始めたのである。
「この曲知らなーい!」
イントロは消失した。
強制終了はいりましたあああああああ!
ニジオタニートの敗北
その後、僕はGreeeeeeeeeeenのキセキとかなんかこれなら大丈夫だろうという当たり障りのない曲を入れて、ハブられてないです大丈夫ですと定期的にアピールを続けた。
しかし友人M氏は果敢にもPV入りのアニソンなどを入れ、サビあたりで女王による強制終了を食らいながらもレジスタンス活動を続けていた。
なんか…早々にあきらめてごめんな…。
いやだってデンモク掌握されている時点で、こっちに勝ち目はない!
ていうかあの謎曲ラインナップについていけるみんなの昔はこんな子じゃなかったのに感が尋常じゃない。
巷ではこんな曲が流行っているんだね、あはは…みたいな感じで、僕は敗北を思い知りました。
「おい、じどり! 歌えよ! いけるだろ、この曲!」
「知らないよ!!!」(脳裡にはサーバルキャットの姿)
頭文字の伏線が回収される
「なぁ…幼馴染、明日仕事だったよね? そろそろ帰らないとやばいよね?」
その時、夜中の2時。
終電は当然なくて、帰るには送迎係の車を頼るしかない時間。
「でも、Eちゃん乗せて帰らないとだから」
Eちゃんとは、複数回行動に亜空切断を繰り出す女王の名前である。
「えっと…それってまさか…朝まで? 仕事は?」
「間に合う」
そりゃ君のドライビングテクニックなら間に合うでしょうけど!
す、すごいな…元気すぎるだろ、この子…。
このとき初めて、他人の車に便乗するということがどういうことなのかを知ってしまったのでした。
それでも僕は帰りたい
結局、帰りたい人は結構いて、最初に「車乗りたい人ー?」って募集していた彼の車で代行呼んで帰ることに。
面々を見ると、完全についていけなかった人たちなんだけどね。
正直、カラオケでの鬱展開のおかげで帰りの車中が一番楽しかったような気がする。
今度こそ思い出話したり、これからみんなどうしたいとか、何歳までに結婚したいとかさ。
ニートにはそんなきらきらしたお話分不相応だよと思いながらも、メガガルーラ出てきたんだから許せよと思ったりして。
クソ田舎で消耗しているのは僕くらいで、また会おうぜって話し合っている同窓生の輪には入れなかったけど、たまには呼んでくれよなって。
そうだなあ、僕も頑張らないとなっ!
きっと、こういう懐かしさに浸りたくなってしまうのも僕がガキっぽい要因の一つなのかな。
たまには、こんな空気の中に帰るのも悪くはないのかもしれない。
ニートのあとがき
以上、『ニートが同窓会に出席してみた』でした。
昔から学校ではイケイケグループの外にいた類の人間で、ほとんどの人の連絡先なんてもう知らないし教えてないんだけど、それでも電話してまで呼んでもらえたのはまあ嬉しかったよね。
今回はたまたま日程も合って参加できたけど、もっとフットワーク軽いニートになれるように収入源(意味深)確保していかないとな!
同窓会は久しぶりに参加するニートでも楽しかったぞ!
リア充にはフルボッコにされたけどな!!!